5A式はイースターエッグで兎を孵す――か?







「ハッピーイースター!」
 目覚めと共に降って湧く声。
 開いた目に眩しいほどのオレンジと紅。
「……Ah-……?」
 研究所を兼ねた自宅のベッドで、その朝マサムネ・T・ダテ博士が最初に目にしたものは、見慣れたベッドルームの天井と見慣れた顔ぶれ――の、はずだった。
 ぱかりと開いたのは金色の左目。
 起き抜けの無防備な脳が、身を起こせと命令するのに素直に従う。
「おはよーまさむねっ」
「……」
 目覚めの世界への歓迎の表れか、パアと両手を広げてポーズをとる赤毛の子どもたち。
 オレンジに近い緋色と濃い紅の二色に金色を細めて、紅の方に記憶を取り戻した。
「Good morning…」
 政宗が朝からBASARAタワーに行くのにサスケと、小太郎を伴う約束で、昨日から泊まりに来ていたのだ。
 そこまでは、良い。
 はりきって早起きして、着替えを済ませているのも、良い。
 服装はいつも通りだ。サスケの緑のプリント柄、小太郎は無地の濃いブルーグレイ。
 しかしその頭部の見覚えのない、白い帽子は何だろう。
 政宗の寝起きで三割り増し目つきの悪い左目か、それとも脳が、それを認識することをしばし拒んだ。
「どうしたの?まだ夢の中ー?」
「……」
 今日は何の夢も見ていない。
(見てたとしても、たった今忘却の彼方だ)
 目覚ましのアラームが止まると同時に叫ばれた言葉をやっと理解して、伊達博士は茶色がかった黒髪をがしがしと掻きながら、低く唸った。



「だから、俺は単にサスケが今日タワーに行きたいって言うのを聞いてただけで、理由は内緒にされてたんだよ」
 その日付がたまたま毛利研究所での無料奉仕の日と被っていたから、ただついでに付いて来たいだけなのかと政宗も追求せずにいたのだ。
「あれだよな、お前…結構頭固ぇんじゃねーのか?」
 意外だ。と、快活に笑って睨まれたのは、毛利研究所でブレインストーミングという名の暇つぶしをしていた長曾我部元親である。
「そうした行為をするには慣れているがされるには慣れていないということか」
 と、政宗の派手好きサプライズ好きを指摘しつつ分析を重ねて呟いたのは、毛利元就だ。
「確かに。政宗殿ご自身は悪戯好きにござるからな」
 昔も今もその悪戯に付き合わされる身の真田幸村が、しみじみと珈琲の牛乳割りを口にしている。
 三者三様に専門は機械工学、医療技術、脳神経構造の研究と離れているように見えても、こうして集まる事は最近では珍しくない。
 長曾我部元親と毛利元就はBASARAタワーに同期で入ってきた仲だ。医師免許に博士号、技術士資格を有するDr.モウリの専門が医療技術の中でも脳神経に関わりの深い義眼、人工眼球一点であり、学会でサナダ博士と顔を合わせる機会も度々あったこと、また元親個人の顔の広さとその由は探せば多くある。
 しかし彼らを三人ともに引き寄せる何よりも大きな理由、それは――世界で初めてヒューマノイドの成功例を生んだとして世に名を馳せ、目下そのヒューマノイドの話のはずが自分に関して好き勝手言われつつ、そして三者に無言の圧力と言う名のガンを飛ばしている、若きマサムネ・T・ダテ博士なのだった。
 そのダテ博士にこの研究室の――相変わらず書類やら研究材料やらが所狭しと積み上げられた部屋の主であるDr.モウリは、秀麗な顔の眉間に皺を寄せたまま、膝の上で繰っていたフィルムシートからジロリと目を上げた。
「…して、その旧世紀の宗教祭が、我の研究所を寄合い所兼託児所にする理由になるとでも?」
「来るって事は前から話しておいただろ?Dr.モウリ」
 凍てつくばかりの視線を受け流すように肩をすくめた、政宗の後ろ。
「俺は今日はあんたの研究所から離れられないし、サスケと小太郎だけでこの広いタワー内なんか歩かせられねぇよ」
 白い帽子に白うさぎの耳をぴんとたてた、二人の子どもが手を繋いで立っていた。
 それぞれ繋いでいない方の手には藤籠。カラフルに塗られた卵がつまっている。
 紛う事無き復活祭のイースターバニーだ。
「お遊戯会にしか見えぬな」
「…あんたがお遊戯会ってものを知ってるなら、そっちの方がAmazingだ」
 鼻を鳴らす元就を横目に見ながら、政宗は後ろに回って白うさぎの背を押した。
「お前ら、挨拶は?」
 白い帽子の下にはオレンジの髪に鳶色の目、紅の髪と暗色のゴーグル。
 サスケは緊張した面持ちで、口元にも表情の無い小太郎の手を握り締めている。
「こんにちはー」
「……」
 ぺこり、と二人で頭を下げると長い耳が揺れた。
 一枚板のスポンジでも入っているのか、顔を上げてもぴょこんと元通りに戻って見せる。
 うっすらと柔らかい毛で覆われた耳と丸い帽子本体は同じ布のようで、卵本来の殻に似て白い。Dr.モウリが着ている純白の白衣と違い、機械油や煤で汚れている長曾我部博士の白衣とも無論違う。美味しそうな真白である。顔の横で帽子の縁が、とろりと曲線を描いて垂れ下がれば搾りたてのミルクを思わせた。
 そのまま細いベルトになったところを、前髪を下ろした紅赤毛はきちんと顎のわきで留めて。額を見せて髪を後ろに流し――帽子に収まらずほわほわとはみだしている橙赤毛の方は、垂れ下げたままにしていた。
 小太郎の紅赤毛とサスケの橙赤毛に、白はよく映えて見える。
「似合うよな」
「ああ…俺はたまにお前の親ばかぶりにびっくりするな」
 Very cute.と真顔で呟けば元親が視線を逸らした。
 政宗も最初こそ見覚えの無い帽子に何事かと驚き、これを連れて歩くのかと遠い目をしたものだが、開き直れば悪く無いスタイルに見えてきたのである。
 何しろダテ博士は自分の造形に自信満万なのだった。
「機械部品の曲線に頬擦りしてるDr.チカベに言われたくねぇ」
「してねぇよ!」
「兎は多産の象徴と聞くが、卵で産むのでござったか?」
「産まねぇよ!!」
 冗談か本気か掴みかねる二人に囲まれて忙しいチカベこと長曾我部博士を尻目に、じりりと動いたのはサスケと、サスケに手を引かれる格好の小太郎である。
 サスケは距離を測るように毛利博士に近づいた。
「こんにちは、ドクター毛利」
 にっこりと分かりやすく装った愛想笑いに、元就は「ふむ」と挨拶とも返事ともつかない声を返した。
「…5A式の横にいるのが風魔型AIのアンドロイドとやらか」
「小太郎だよ」
「……」
 こっくりと頷く小太郎の手をサスケはぎゅっと握り締めている。
 サスケが――BASARAタワーの公式名称で言うところの甲斐原理統合5A式ヒューマノイドが、今日この日緊張した顔色を見せているのは、サナダの旦那のためでもチカベ博士のためでもなく、目の前のドクター毛利のためだ。
 政宗は同情を覚えないでもなかった。
 5A式の鳶色の目は元就の作で、人工知能が本体に移植される前からメスやピンセットで突つき回していたのだからまああれは自然な行為だったであろうが――初対面でいきなり目前に針をつき付けられれば、生まれたてのヒューマノイドでなくとも怯えるだろう。
 身じろいで逃げようとしたサスケの後ろを針で指し、ドクター毛利はこう言った。
『お前が逃げたらアレの左目を代わりにするが?』
 アレとは勿論、5A式の創り主である政宗のことだ。
 代わりも何もサスケの人工眼の検査を政宗にされても何の意味も無いだけなのだが、それで5A式が微動だにしなくなったのだから見事な手際である。
「いや褒めるところじゃねぇだろそれ」
 ちゃんと同情してやれよ。と、ロボット工学を目指す若者に兄貴と慕われる、懐の広い男は言った。
「慶次殿が聞いたら――いや、案外真似をしそうでござるな」
 知り合いの小児科医の名前を出して、幸村がううむと唸った。
 傍観を決め込む三人に見守られて、二人はごそごそとそれぞれ自分の籠を探る。
 籠の中には昨夜政宗に内緒で起き出して塗ったのであろう、色とりどりの卵。
 そこから萌黄緑の一つを見つけ出して、小太郎が首を傾げた。耳が小さく横に揺れる。
「そう、それ」
「……」
 耳が縦に揺れる。
 小太郎は緑の卵を両手でDr.モウリに差し出した。
 その視覚センサーの隠されたゴーグルをしげしげと見ていた元就も、明るい緑色に目を落とした。
――鶏卵か」
「イースターエッグです」
 答えたのはサスケだ。
 ドクター毛利が小太郎の手から卵をとるのを見て、ホッとした様子である。
 大事な一仕事を終えたという顔であり、小太郎の無事に安心した顔でもあった。
「えーっとね、あとこれがチカベ博士の分でー」
「……」
「そう、小太郎のそれがサナダの旦那の分!」
 サスケの手には紫の卵。小太郎の手には真紅の卵。
 パタパタと駆け寄って博士たちに差し出した。
「はい、チカベ博士。ハッピーイースター!」
「ありがとよ」
 長曾我部博士の左手に乗ると卵が小さく、可愛らしく見えた。同じく大きな右手でうさぎ頭をわしゃわしゃと撫でる。帽子はずれたが5A式は嬉しそうな笑顔だ。
「ところでお前、前会った時はちゃんと“長曾我部博士”って発音できてなかったか?」
「うん。でも博士は“チカベ博士”って感じじゃない?」
「はっはっ!親の顔が見てえなオイ」
 ポフポフと無邪気なうさぎの頭を叩きながら、元親は豪快に笑う。
「俺が親ってことになるが文句あるか?Dr.チカベ」
「いいや。納得する気持ちしかねぇよ」
 座って頬杖をついた若干十九歳のダテ博士に、今年で三十いくつだったかの長曾我部博士は肩を落としたりはしなかった。
 餓鬼だから、でその呼び方を許したまま早十数年だ。今更文句も無いらしい。
「いっそチカベ兄貴と呼んでも良いんだぜ」
「んー、それは遠慮しときます」
 にこにこしながら白うさぎは首を振っているが、元親の手の中の卵を見て成る程、と政宗は頷いた。
 『兄貴』と銀灰色の絵の具で書かれている。なかなか達筆だ。
「変わらず達者な腕にござるな」
「……」
 微笑んで小太郎のうさぎ頭を軽く撫ぜる、サナダ博士の紅の卵には銅色の――四角い穴の開いた円が六つ、きれいに並んでいる。
 真田家の家紋。
「そう!小太郎が描いたんだよー」
 よく調べたもんだ、と感心する政宗の隣でパアと顔を輝かせたのは元親だ。
「お前がコレ書いたのか…!」
 と、言うが早いか小太郎の脇の下をガッシとつかんで軽々と持ち上げた。
「偉いぞ、風魔の!」
「……」
 小太郎の見た目の年齢は十歳ほどで、高い高いをされるほど小さくは無い。こうして抱き上げるのは政宗では少し難しいし、北条の爺様ではいくら元気でも腰にくるだろう。有機体より密度の高い金属に多く頼って出来ている体は、見た目よりいくらか重いはずだ。
 珍しい体験で何よりだ、とダテ博士は考えた。が。
「Dr.チカベ…調子に乗って天井にぶつけんなよ」
 小太郎の頭が心配だ。
 先刻から天井にぶつかってぴょこぴょこと折れている白いうさぎ耳に不穏なものを感じた声は、そのまま不穏に低く響いた。
「ああ、この部屋天井低いからなあ」
 もちろん規格外なのは小太郎をほいほいと持ち上げるチカベ博士の体格であって、毛利研究所の天井ではない。
(喜ぶのは分からんでもねぇが)
 小太郎の体はサスケと違い、汎用型の機械人形のものをほとんどそのまま使っている。
 二足歩行機体開発の権威、引いては巷に広まりつつある機械人形の開発の立役者と言われるDr.長曾我部だ。小太郎のことも自分の子どもとまではいかずとも、先生にとっての生徒の一人くらいには思えるのだろう。
(ぶつけたらしばき倒す)
 とそれだけ決意する政宗の後ろで、「時に5A式よ」と声をあげたのは幸村だ。
「この卵、中身があるようだが…」
「うん、ゆでたまごです」
 が、しかし。
 食べれるよー。とにこにこした顔が浮かぶようなのん気な口調の5A式に。
「そうか」
 と、答えたのは幸村の声ではなかった。
 声とともに、ゴン、と音が響いたのは、元親が小太郎を天井にぶつけた音――ではなかった。
「……!」
「え?」
「あ」
「おい、元就っ」
 部屋中の視線を集めて怪訝そうな顔をしたのは、Dr.モウリだ。
 秀麗な眉をひそめ、じろりと冷たい視線を走らせる――その手の中で、緑の卵が割れていた。
「モウリさん、卵割っちゃったの」
「割ったが?」
 それがどうしたとばかりに元就は手の中の卵を机に打ちつける。
 カツ、カツ、と軽い音と共に、萌黄緑の殻はどんどんひび割れていく。
「放っておいたらうでたまごが腐るであろうが」
「いや、何ていうか、もうちょっと待って欲しかったなーと言うかっ、えーっとね!」
 ちらり、とサスケが視線を流した方。
 元親に下ろしてもらった小太郎が、『何も見たくない』とばかりにゴーグルを両手で覆っていた。
 うつむいているせいか、うさぎの耳も前のめりだ。
「小太郎が泣いちゃったじゃない…」
 こちらの方が泣きそうな顔で、サスケは元就を精一杯見上げる。
 Dr.モウリはフン、と冷たく鼻を鳴らした。
「眼球もないくせに涙腺はあるのか」
「そーいうことじゃなくってー!」
「Wait,まあ待てサスケ」
 割って入ったのは政宗の声である。
「やったもんをどうするかはDr.モウリの自由だ。それに卵はどっかで食わなきゃならねぇだろ?」
「そりゃあ、」
 サスケはむうと口ごもった。
 元就はと言えば、政宗が小太郎の肩に手を置いて大人らしく諭そうか慰めようかとする様子に興味深げな視線を向けている。
 何しろ普段この研究室では、十九の政宗など未だに半分は子ども扱いなのだ。
「へこむなよ。作ったもんはちゃんと渡せて喜んでくれたんだ――Ah-,Doctor?」
「何だ」
 ドクターが三人ほどいる中で、視線を向けられた元就が返事をする。
「こいつらが作った卵、ちゃんと見たよな?」
「ふむ」
 細い指の中のひび割れた卵。
 手のひらでくるりと一回転させる様子を、幸村も元親も、小太郎も指の隙間から見守った。
「何か描いてあるな。金色で」
 ベコベコになった緑の中に何か認めたらしい。
「モウリさんとこの家紋です…」
 サスケが小さな声でつぶやいた。
 元就は得たりと頷くと、顔を上げてにこりと微笑む。
「ちゃんと見たぞ」
 爽やかだ。背筋が冷たくなるほどだ。
――見たの今だろ、あんた。
 少なくとも政宗とサスケと元親辺りの心の声は、この時きれいに同調した。
 しかし突っ込んだところで傷口を広げるばかりだろう。小太郎の。
 ここは引け。と目で語る政宗に、サスケも諦めた風で小太郎を慰めるべくくるりと踵を返した。
 その頭上に気配もなく、手が伸びる。
「待て」
「わ!?」
 待てといわれてむしろ一、二歩逃げるようにDr.モウリから離れ、サスケははっと橙毛を押さえた。
 止めようとしたのか奪おうとしたのか。
 うさぎ耳を鷲づかみにされた格好で、サスケの帽子はDr.モウリの手の中に残っている。
 生け捕りにされた哀れな獲物のような格好だ。と、政宗は思った。
「か、返してくださいっ」
「この帽子」
 元就はサスケの手の届かない高さに獲物を掲げる。
「貴様には少し大きいように見えるが?」
「え?ああ、うん…」
 両手を伸ばして背を伸ばしても届かないという態で、焦るサスケの顔に困惑が雑じった。
「もともと親子用のセットだったみたい。まさむねと二人で使えって」
 その子ども用の方を小太郎に譲ったらしい。
 耳の大きさは同じだが、なるほどサスケが釦を止めていなかったのはサイズが合わなかったからか、と頷いて、政宗はふと首を傾げる。
「Wait,誰がそう言ったんだ?」
「慶次サンだよ。これ持ってきてくれたのも――、」
 帽子を取り戻さんと今にも跳ねようとしていたサスケが息を呑んだ。
「ほう、確か前田利家の甥だったか」
 涼しい顔でうさぎ耳を高く掲げている、元就のもう片方の手に、薄桃色の卵があった。
「それは慶次用の…!」
 淡いピンクに染められた卵には、でかでかと『恋』と書かれている。
――あいつのイメージ、それか。
 達筆な文字にちらりと小太郎の方を見れば、未だに両手で顔を覆っている。
 それとも元就の手に卵が渡ったのを見て、小太郎なりに何か悪寒を感じたのかもしれなかった。
「毛利さんその卵をどうする気!?」
「さて、どうしてくれようか…」
 青ざめるサスケに冷たく笑うDr.モウリ。
(笑うところか?これは)
 と、傍観を決め込んでいた政宗の方に、元就の視線が向いた。
「…何だ?」
 不気味な予感に一瞬口ごもってから、政宗は問うた。
「かぶれ」
「What?」
「貴様用の帽子だそうではないか」
 ずい、と白いうさぎ耳が突き出される。
 サスケや小太郎がつけた姿を“お遊戯会”と他ならぬDr.モウリが評した、可愛らしい柔らかい真っ白な。
――これを被れと?
「………元就、」
「嫌か?」
 フッとDr.モウリは笑った。
 嫌がれば嫌がるだけ喜ばれそうな気がするのは気のせいではなくて、元就は真正のSのつくあれだということを政宗は知っていた。
 その手の中で桃色の卵が転がされている。
 政宗の後ろには未だに手で顔を覆った小太郎。
 人質ならぬ卵質だ。
 元親は小太郎を心配して先ほどからそちらにつきっきり。
 最後の頼みと幸村を見れば、「申し訳ござらん」と手の中の真紅の卵をちらりと見せる。
 殻にひびが入っていた。
 こちらもゆで卵と聴いた瞬間、剥いて食おうとした口らしかった。
「まさむね…」
 困った顔でサスケがこちらを見ている。

(何が“HAPPY EASTER”だ)

 政宗は左目を手で覆った。
 瞼の裏に「春は恋の季節だよ」と笑うHappyな友人の姿が浮かんで、とりあえず心の中で殴っておくことにした。















 数分後。
――…ひょっとすると風魔は、目を回していたのではなかろうか?
 元親が高い高いをしすぎたのだ。
 機械人形の体は人並み以上に飛んだり跳ねたりするようにできていない、風魔のAIには慣れない感覚だったのではあるまいか――
 世にも目つきの悪い独眼兎ができあがり、5A式が「かわいいよ!」と絶賛するのを眺めやりつつ。
「よくお似合いでござるよ政宗殿」
 Dr.サナダは、仮説を仮説のままにした。

















アンケート第二位【=“閃”国婆娑羅=シリーズ】でイースターやってみました。投票ありがとうございました。
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